世界的な高級ブランドへ

品質の高さは認めるものの、どこか古くさいイメージがつきまとったエルメスが、現在のような世界中のセレブに愛されるエルメスになるのは、4代目のロバート・デュマ・エルメスと5代目のジャン・ルイ・デュマ・エルメスの時代からでした。特に5代目は、1950年代から2000年代のエルメスを牽引し、世界的な高級ブランドにした、偉大な経営者として知られています。

彼らによって、これまでエルメスが培ってきた技術、品質という、譲れない部分は保持されつつも、その他の部分で古くさいと思われた伝統を壊し、若者をターゲットにした改革が行われることになりました。

まず、それまでのブランドイメージを良い意味で壊し、新たなイメージを見せるための広告戦略を行います。これにより、徐々に若者の中に、エルメスに対する興味と関心がうまれていくこととなり、エルメスの注目度は飛躍的に世界中で高まることとなりました。

そしてもう一つ、時代に合わせた新製品を投入する製品戦略です。バッグや衣服といった高品質で高価格のエルメス商品だけでなく、広告戦略でエルメスに注目するようになった若者が、比較的手頃な価格で購入できるよう、小物類を拡充したり、食器などのテーブルウエアなどを用意したりしました。もちろん、エルメスがもっている高級感や、品質の高さといったこれまでのイメージも崩さないよう十分配慮されました。

これらの結果、エルメスは高品質、高級というイメージを、そのまま若者にも広げることに成功したのです。また、エルメスのバッグの代表的モデルであり、中古品としても高価買取が期待できる、「ケリー」「バーキン」は、この2人の時代に誕生したことでも有名です。